『スパイ・レジェンド』

  • タイトル:スパイ・レジェンド
  • 原題:The November Man
  • ジャンル:映画
  • 監督:ロジャー・ドナルドソン
  • 製作年:2014
  • 製作国:アメリ
  • 劇中年:2014(劇中言及なし)
  • 要素:身代わり、師弟、抜け忍、CIA、ロシア、政治家、脅威の捏造、無人兵器、チェチェンベオグラード
  • 評価:★★★☆☆
  • あらすじ:スイスで余生を過ごす元CIAエージェントのピーター・デヴェロウ(ピアース・ブロスナン)の元に、かつての上官が現れる。ピーターと因縁浅からぬロシア副大統領の過去を知る関係者が次々に暗殺されているというのだ。副大統領の側近として潜入している旧友を救うためモスクワに向かうピーターだったが、そこではかつての弟子メイソン(ルーク・ブレイシー)がある暗殺の準備をしていた…。
  • 寸評:五代目ボンド俳優として知られるピアース・ブロスナンが久々に主演したスパイ映画は、チェチェン紛争を主軸にしたハード目なもので、東西双方に背中を向ける。イギリス紳士のボンドのイメージではなく、アイルランド出身のブロスナンの本来の立ち位置が発揮されていると言えるかもしれないが、演技としては残念ながらイギリスの元首相を演じる『ゴーストライター』のほうが活き活きしているのだった。/陰謀劇と同時に師弟のドラマ、更に虐げられた女性の復讐劇を同時進行させ、かなりの無理を生じつつもそれなりに楽しませてくれるのが職人監督ドナルドソンの面目躍如。それらに通底して見え隠れする「かつて救えなかった”子供”を救う戦い」というテーマが、破綻はあれど、ビターさと理想論の共存する佳作に仕立てている。/原作はビル・グレンジャーの『ノベンバー・マン』。
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(2015/02/11)