『暗殺者の正義』

  • タイトル:暗殺者の正義
  • 原題:On Target
  • ジャンル:小説
  • 著者/監督:マーク・グリーニー
  • 製作年:2010
  • 製作国:アメリ
  • 劇中年:言及なし
  • 要素:CIA、中国、ICC、抜け忍
  • 評価:★★★★★
  • あらすじ:前作『暗殺者グレイマン』の死闘から数ヶ月。凄腕暗殺者ジェントリーは、ロシアの武器商人から、虐殺の首謀者として名高いスーダン大統領の暗殺を持ちかけられる。断ろうとしたジェントリーだったが、かつての上官から意外な申し出を受けスーダンへと赴くことに。
  • 寸評:アクション釣瓶撃ちの前作から一転、アイルランドでの地味かつ苦い任務の冒頭をはじめ、旧来の「冒険小説」的な要素が目立つ一作。傷の治療のため薬中毒気味の身で、愚かな国連職員に振り回される前半のグレイマンの「凄腕暗殺者」としてのおぼつかなさは、少々呆れるほど。しかしその甘さ・優しさが、終盤での彼の「正義」を巡る選択に説得力を増す。グリーニーは前作で、冒険小説における「『ボーン』三部作以降」のアクションを提示したが、今作ではストーリーやテーマの面でも「『ボーン』以降」に追いついてみせた。(2014/02/03)

暗殺者の正義 (ハヤカワ文庫 NV)

暗殺者の正義 (ハヤカワ文庫 NV)