『ザ・イースト』
- タイトル:ザ・イースト
- 原題:The East
- ジャンル:映画
- 監督:ザル・バトマングリ
- 製作年:2013
- 製作国:アメリカ
- 劇中年:2013
- 要素:民間警備会社、エコテロリスト、NOCリスト、インターネット
- 評価:★★★★★
- あらすじ:民間警備会社につとめる元FBIのサラ(ブリット・マーリング)は、大企業に対して破壊活動を繰り返す過激な環境保護活動家グループ「イースト」への潜入を命じられる。素性を隠し、ベンジー(アレクサンダー・スカルスガルド)らイーストのメンバーに接触するが、次第に彼らへの共感を抱いてしまう。
- 寸評:主人公サラは、素性を隠してテロ組織に潜入するスパイだが、組織の人間たちもまた、社会に対して真意を隠して生きてきた人間である。アメリカでの惹句"Spy on us, we'll spy on you."が示すように、彼らもまたスパイなのだ。スパイし、スパイされ、敵味方のあいだを往還したサラが最後に選びとるのは、やはり「スパイ」として行動することだった。サラが、酷く傷つきながらも獲得する強さがまぶしくかっこいい。社会派映画としての硬質さと、若者たちの鮮烈な青春映画としての甘く苦い味わいとを両立させた、異色作にしてマスターピース。スパイフィクション史の金字塔となるだろう。(2014/2/22)
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