『脱出航路』

  • タイトル:脱出航路
  • 原題:Storm Warning
  • ジャンル:小説
  • 著者:ジャック・ヒギンズ
  • 製作年:1976
  • 製作国:イギリス
  • 劇中年:1944
  • 要素:帆船、ブラジル、大西洋、イギリス、Uボート
  • 評価:★★★☆☆
  • あらすじ:1944年の夏、ブラジル。戦況の悪化を憂い祖国へ決死の帰還を企てたドイツ人たちが、古ぼけた帆船で大西洋横断をめざす。
  • 寸評:老朽帆船が大西洋横断、という本筋は渋いが、並行して語られるイギリスでの物語は意外と派手だ。知的なUボート艦長に美人女医といった面々の適度な「わかりやすさ」が、この渋い作家の幅広い人気を支えていたのだろう。魅力的な人物たちの辛い冒険行が収斂していく後半には、わかってはいても熱くなれる。終幕の茫漠としたさびしさ、人間のはかなさが印象に残る。
  • これもおすすめ:

『国王陛下のUボート』『鷲は舞い降りた』『ナチが愛した二重スパイ』