『カーラのゲーム』
- タイトル:カーラのゲーム
- 原題:Kara's Game
- ジャンル:小説
- 著者:ゴードン・スティーヴンズ
- 製作年:1996
- 製作国:2000
- 劇中年:
- 要素:SAS、ボスニア、シュタージ、イスラム、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争
- 評価:★★★★☆
- あらすじ:ハイジャックされたルフトハンザ航空3216便がロンドン上空へ向かう。ヒースロー空港で待機するSASチーム。リーダーのカーラとSAS隊員フィンは、かつてボスニア内戦のさなか互いを助け合った過去を持っていた――。
- 寸評:母親で恋人で戦士で策士で指導者で娼婦、という冒険小説で読者が求めがちな女性イメージ全点盛りなカーラの造形にノれるかどうかが本作の評価を分ける。その意味では、最大の読みどころとなるのは現在の事件を描く後半ではなく、彼女が不幸の底へ落ち、這い上がっていくボスニアでの過去を描く前半だ。後半の展開には物足りなさもあるが、たとえば現在のウクライナ情勢のように、凄惨な紛争が発生し、国際社会がその対処に迷うという状況が続く限り、本作は「現役」の小説として読み継がれるだろう。(2014/07/20)
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